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心疾患による障害は、弁疾患、心筋疾患、虚血性心疾患、難治性不整脈、大動脈疾患、先天性心疾患に区分されています。ここでは、弁疾患と心筋疾患について1級~3級が決まる基準の説明いたします。
1級 | ・病状(障害)が重篤で安静時においても、心不全の症状(NYHA 心機能分類クラスⅣ)を有し、かつ、2Mets未満に該当するもの | ||
2級 | ・人工弁を装着術後、6か月以上経過しているが、なお病状をあらわす臨床所見が5つ以上、かつ、異常検査所見が1つ以上あり、かつ、2~4Metsに該当するもの | ||
3級 | ・人工弁を装着したもの異常検査所見のA、B、C、D、E、Gのうち1つ以上の所見、かつ、病状をあらわす臨床所見が2つ以上あり、かつ、下記(1)または(2)に該当するもの。 |
※Metsとは、座位姿勢時に必要な酸素摂取量を1Metsとし、日常生活の活動がどの程度心臓に負担がかかるのかを判断するための、身体活動や運動強度の指標のことです。たとえば、平地歩行は3Mets、入浴は4~5Mets、階段昇りは6Metsになります。
1級 | ・病状(障害)が重篤で安静時においても、心不全の症状(NYHA 心機能分類クラスⅣ)を有し、かつ、2Mets未満に該当するもの | ||
2級 | ・異常検査所見の左室駆出率(EF)40%以下かつ、病状をあらわす臨床所見が5つ以上あり、かつ、2~4Metsに該当するものかつ、下記(1)または(2)に該当するもの。 | ||
3級 | ・EF値が50%以下を示し、病状をあらわす臨床所見が2つ以上あり、かつ、一般状態区分表の3~6Metsに該当するもの |
※臨床所見(診断書では「無」・「有」)
自覚症状 動悸、呼吸困難、息切れ、胸痛、咳、痰、失神、
他覚所見 チアノーゼ、浮腫、頸静脈怒張、ばち状指、尿量減少、器質的雑音
下記に心疾患の検査での異常検査所見を一部示す。
区分 | 異常検査所見 | ||
A | 安静時の心電図において、0.2mV以上のSTの低下もしくは0.5mV以上の深い陰性T波(aVR誘導を除く)の所見のあるもの | ||
B | 負荷心電図(6Mets 未満相当)等で明らかな心筋虚血所見があるもの | ||
C | 胸部X線上で心胸郭係数60%以上または明らかな肺静脈性うっ血所見や間質性肺水腫のあるもの | ||
D | 心エコー図で中等度以上の左室肥大と心拡大、弁膜症、収縮能の低下、拡張能の制限、先天性異常のあるもの | ||
E | 心電図で重症な頻脈性または徐脈性不整脈所見のあるもの | ||
F | 左室駆出率(EF)40%以下のもの | ||
G | BNP(脳性ナトリウム利尿ペプチド)が200pg/ml 相当を超えるもの | ||
H | 重症冠動脈狭窄病変で左主幹部に50%以上の狭窄、あるいは、3本の主要冠動脈に75%以上の狭窄を認めるもの | ||
I | 心電図で陳旧性心筋梗塞所見があり、かつ、今日まで狭心症状を有するもの |
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